スープカレーを食べるはずだった午後、配達が終わらなくなった

スープカレーを食べるはずだった午後 配達

今日は仕事が終わったら、少しだけ配達をして、遅めのランチを食べるつもりだった。

少し前から気になっていたスープカレーのお店がある。野菜がたくさん入っていて、辛さも選べるらしい。

仕事を頑張った日のご褒美としては、ちょうどいい。

配達を数件終わらせたら、そのままお店へ向かう。頭の中では、もう注文するメニューまでほとんど決まっていた。

ところが、こういう日に限って配達が終わらない。

「あと一件だけ」が何度も続く

今日は普段よりも依頼の条件がよかった。

そろそろ終わろうと思ったところへ、断るには少し惜しい依頼が届く。

あと一件だけ。

これを終えたらランチにしよう。

そう思って走り出す。

配達を終えると、また次の依頼が届いた。

今度も目的地から大きく外れてはいない。むしろ、スープカレーのお店がある方向へ少し近づけそうだった。

これならついでに行けるかもしれない。

そう考えて引き受けたのに、配達を終えた場所は、なぜか最初よりもお店から遠くなっていた。

配達先にはちゃんと着けるのに、自分のごはんにはなかなかたどり着けない。

空腹になるほど、食べたいものが変わっていく

最初は間違いなくスープカレーが食べたかった。

素揚げの野菜が入った、少し辛めのスープカレー。

けれど空腹の時間が長くなると、だんだん考えが変わってくる。

普通のカレーでもいい。

定食でもいい。

ラーメンでもいい。

さらに時間が経つと、温かいものなら何でもよくなった。

お腹が空きすぎると、食べたいものを選ぶ余裕までなくなるらしい。

夕方の大阪は、どの道を選んでも車と信号に捕まる。

目の前には飲食店がいくつもあるのに、配達中は自分のために立ち止まれない。

飲食店から料理を受け取り、誰かの夕食を届けながら、私はずっと自分の昼食を食べられずにいた。

目標を達成しても終われない

最初に決めていた件数は、とっくに終わっていた。

今日これくらい稼げたらいいなと思っていた金額も超えている。

それならアプリを閉じればいいだけなのに、条件のいい依頼が届くと、つい指が止まってしまう。

もう一件だけなら。

この配達が終わったら。

そんな言い訳を繰り返しているうちに、遅めのランチは完全に夕食の時間になっていた。

お財布は少し満たされたけれど、お腹は長いこと空っぽのままだった。

結局、スープカレーのお店へ着くころには、最初に感じていた期待よりも「早く何か食べたい」という気持ちの方が大きくなっていた。

それでも、ようやく席に座って温かい料理が運ばれてくると、それだけで少し安心した。

今日は軽く働いて、ゆっくりランチを食べる予定だった。

予定より多く働いて、予定よりずっと遅くごはんを食べた。

次こそは、配達を始める前にランチを済ませようと思う。

たぶん私は、また同じことをするのだけれど。

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